ニュース速報

英首相、EU離脱実現しなければ「民主主義に打撃」 支持訴え

2019年01月14日(月)14時40分

[ロンドン 13日 ロイター] - 英国のメイ首相は13日、欧州連合(EU)離脱を実現しなければ民主主義への大きな打撃になるとの見方を示し、自身の離脱案への支持を訴えた。

メイ氏は英紙サンデー・エクスプレスへの寄稿で、議会は2016年6月の国民投票で離脱を支持した国民を裏切ってはならないと強調。「国民を裏切れば、英国の民主主義に対する破壊的かつ許しがたい背信行為となる」とし、議会は駆け引きをせずに英国にとって正しい行動をとるべきだと訴えた。

バークレーEU離脱担当相はBBCテレビで、離脱案を支持するよう十分な数の議員を説得することは容易ではないとしながら、議会が仮に現行案を否決したとしても、最終的には「類似の案」を支持するのではないかとの見方を示した。

野党・労働党のコービン党首は、合意なき離脱となれば大惨事を招くとし、そうした事態の回避にあらゆる手を尽くすと表明した。ただ、労働党としては総選挙の実施が優先だとし、15日の議会採決でメイ氏の離脱案が否決された場合、政府に対する信任投票を「程なく」提案すると述べた。

バークレー離脱担当相は、議会で離脱を妨害する行為のリスクが高まっているとの認識を示した。

メイ首相は14日の演説で、合意なき離脱よりも議員による離脱阻止の可能性のほうが高まっていると述べる見通しだ。

サンデー・タイムズ紙が政府高官の話として伝えたところによると、一部議員は14日からの週に、離脱の保留または延期を目指して議事の進行を妨害することを計画しているという。

EU残留を支持する自由民主党のビンス・ケーブル党首はBBCテレビで、議会は合意なき離脱の回避に向けて行動すると述べ、最終的に離脱阻止を目指す可能性があると指摘。具体的には、EU基本条約(リスボン条約)50条に基づく離脱通知の撤回か、もしくは国民投票の再実施によって、残留の選択肢を模索することが可能になるとの見方を示した。

コービン労働党党首は国民投票再実施に関するBBCテレビの質問に対し、「合意なき離脱の危険を回避するため、現時点で離脱案で合意することが望ましい」とした上で、仮に総選挙を実施し、労働党が勝利した場合、EUと新たな案について交渉する間、離脱の延期が必要になる可能性があると指摘。「2月、3月に選挙が行われた場合、離脱までわずか数週間となる。交渉期間が必要になる」と述べた。

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